おっすおっす。
かーむです。
今回は珍しくリミテッドについて書いてみる。
というのも、これまで基本的に構築フォーマットでしかMTGを遊んでこなかったんだけど、リミテッドに手を出してみたら見事に沼にハマったからです。
これまでやらず嫌いしていたリミテッドを遊んでみたところ、めちゃくちゃ面白かったし練習していく中で学んだこともあったので、その辺について書いてみようと思います。
※ちなみにただの日記なので、学びなどがあるかはわかりません。
最初にちょっと自分語りさせてくれや。
まずは僕とリミテッドの関係についてちょっと話すので聞いてください。
僕は普段、主にスタンダードをはじめとした構築フォーマットでMTGをプレイしています。
特にここ2年くらいは競技的にプレイしていて、競技イベントにも参加するようになり、上振れでたまに入賞などするくらいにはMTGに触れてきました。
それ以前にもカジュアルに友達と遊んだりとMTG自体はそこそこ長くやっていますが、実はリミテッドはドラフトもシールドも全然遊んだことがありませんでした。
せいぜいプレリでシールドをやったり、友達と集まった時にドラフトをやるくらいです。
昔テーブルトップ中心で遊んでいた時に通っていたお店のフライデーナイトマジックでは、スタンダードとドラフトを併催していましたが、ドラフトの方には出ようと考えたことすらありませんでした。
要するにマジで構築でしかMTGで遊んだことがありませんでした。
ただ、リミテが好きって人は本当に楽しそうにやっているイメージがあったし、リミテが強い人はMTG自体が上手い印象もあって、そこにはほんの少しだけ興味がありました。
それでも、自分に関して言えばリミテが面白そうだとはとてもじゃないけど思えませんでした。
特に構築の練習にもならなそうだし、弱いカードで戦うのもなんかしょぼそうだし、半ば運ゲーでしょみたいなイメージすら持っていました。
そんな愚かなかーむでしたが、MTGのメインの舞台がテーブルトップに移って急にアリーナでやることがなくなったので、なんとなくリミテッドに手を出してみたのでした。
そう、沼への一歩を踏み出したのです。これが5月末ごろの話です。
リミテはおもろい。もっと早く言え。
そうして俺こと《愚かなるもの、かーむ/Calm,the ignorant》はリミテッドをやってみようということで、おもむろにリミテッドのランクマへと潜ってみました。
当然のようにボコボコにされ、全然勝てなくてキレてましたが、これが存外楽しい。
リミテにわかだけど、ちょっとリミテの魅力を語らせてくれい。
毎回違うゲーム体験
一番面白いと感じたのは「毎回違うゲーム体験」でした。
構築フォーマットでは、相手も自分も使っているデッキやカードはある程度収束します。
特に競技イベントやランクマでは顕著ですね。
珍しいカードを採用したデッキやオリジナルデッキにもたまに遭遇しますが、基本的にはお互いメタゲーム上に存在するデッキを使うし、結果としてゲーム展開もある程度固定化します。
要するに自分も相手も知っているデッキ(アーキタイプ)やカードを使っているし、体験したことがないような勝ち方や負け方にもそうそう出会いません。
しかしリミテッドは違います。
相手のデッキも自分のデッキも毎回違うし、入ってるカードも毎回違います。
強いカードばかりでなく、しゃーなしで弱いカードが入っていることもありますし、構築フォーマットと違って同じカードが2枚以上入っていることも稀なので、そもそもデッキに入っているあるカードを1枚も引かないまま終わることも普通にあります。
それゆえに、「は!?それ入ってんの!?」みたいなことも「そんな勝ち方ある!?」なんてことに出会える機会は構築フォーマットよりもずっと多かったです。
これは構築フォーマットにはない、リミテッドの大きな魅力の1つでした。
サーフィンとリミテッドはよく似ている。
サーフィンで同じ波が二度と来ないように、同じピック、同じプールが来ることも二度とはない。
リミテのデッキを作るのは楽しい
リミテッドには他にも魅力があります。
恐らくこれは僕だけしか気づいていないんですが、実はトレーディングカードゲームというジャンルは、プレイだけではなくデッキを作っている時も楽しいんです。これ、トリビアになりませんか?
構築フォーマットでもデッキをアレコレ調整するのはわりと好きなのですが、リミテッドではまた違う味わいがありました。
シールドではカードプールの中でよりよい40枚を作り上げるために、「この色の組み合わせか?いやクリーチャー足らんわ。じゃあこっちか?」と頭をひねらせていましたが、マジでこれが楽しい。
ドラフトでは、ピックするごとに自分の理想のデッキに近づいていくのも楽しいし、逆に全くパーツが流れて来なくてモニターを叩き割ったりするのもキレそう大変に趣がありました。
文字通りlimited=限られたプールの中で最高のデッキを作ろうとする、それ自体が楽しく、TCGというゲームの魅力を今更ながら感じました。
リミテッド難しくて草w
草に草をはやすな。
いや、今それはどうでもいい。
先ほど書いた通り、右も左も分からない状態でリミテッドをやり始めたわけですが、ボコボコにされてました。あとジェムも吹っ飛びました。訴訟。
曲がりなりにも多少はMTGに長く触れてきた身、これほど負けが込んだのは久しぶりです。楽しいとはいえ流石にモニターを割りそうになりました。
再現性がない、もしくは見つけられない。
リミテッドは上達が難しいとはよく言われることではありますが、その大きな理由の1つは「再現性がない」ことです。
上ではリミテッドの大きな魅力の1つは「毎回違うゲーム体験」と書きましたが、それは再現性がないということでもあります。
リミテッドでは相手のデッキも自分のデッキも、勝ち方も負け方も毎回違います。
そのため勝因も敗因も正しく認識できず、ゆえに反省やフィードバックができません。
構築フォーマットではお互い特定のデッキ(アーキタイプ)で戦うことが多く、ゲーム展開もある程度は似通ったものになります。
対戦したフィードバックから、デッキを重くしすぎてアグロに轢き殺されれば除去を多くしようと思えるし、キーカードを引けずに負ければキーカードを増やすこともできます。
いつもコンボデッキのコンボを阻害できなくて負けてるなと思えばカウンターを増やしたり、コンボを決められる前に倒せるようにデッキの速度を上げることもできます。
しかしリミテッドは違いました。
環境にはアグロかミッドレンジしかいませんが、自分も相手も毎回色は違うし、入ってるクリーチャーも除去の採用枚数も全然違います。
ゲーム展開に関しては、なんか知らんけどボムレアが着地して勝つこともあれば、3マナ2/1飛行のなんてことないクリーチャーに10回どつかれて負けることもあります。
毎回「《黄金架のドラゴン》が走って勝ち^^」とはいかないのです。
何が良くて勝ったのか、何が悪くて負けたのか、何もわからないまま勝ちと負けを繰り返していました。ちなみに当然負けの方が多かったです。
仮に除去を増やした方がいいと分かったとしても、そもそもカードプールに除去がないこともあります。やっぱりリミテッドはクソゲーです。
練習方法がわからない。
そして困るのが練習方法がわからないことです。
なぜか?フィードバックができないからです。
構築なら、「今日は●●相手のサイド後の戦略を練ろう」とか、「除去の枚数と配分を調整しよう」といったテーマを持って練習し、ゲーム展開や勝敗から次の練習や調整の方向が見えてきます。
リミテッドではそれはできませんでした。(少なくとも自分には)
勝った理由も負けた理由もわからず、「レア出されて負けた~」とか「なんか知らんけど飛行で殴ってたら勝った」とかやってました。
ちなみに何度か飛行ビートで勝ったあとは、味を占めて飛行ビートを組んだりしてましたが、タフネスが高い到達クリーチャーが出てきて即詰んでキレるなどしていました。
リミテッドむずすぎる。
それでも上手くなりたい①修行編~6月~
練習方法もわからない。ジェムは蒸発していく。Twitterでは他人の7-0リストが躍る。
それでも俺はリミテッドが上手くなりたかった。
俺と7-0したやつの何が違うというのか。いや、違わない。(反語法)
絶望的な状況でしたが、不測の事態を考慮したうえでIQ53万の俺の脳内CPUがハジき出した対策は…
知らんけどたくさんリミテやればそのうち勝てるようになるやろ ^q^
でした。
ちなみに上手くなりませんでした。
先ほど登場した《解体作業員》くんに分からされて以降、気付けばジャンドかナヤをやっていて無限に1-3と2-3を繰り返すなどしていました。
その後、さとれいサロンのメンバーに「バントが強いよ」との革新的なアドバイスをもらい、バントを決め撃つようになってから多少勝率が上がり、なんとか月末には初めてダイヤに到達できました。
うおおおおおおお
初リミテダイヤ!!
リミテたのしいいいいいい pic.twitter.com/bysI8b0FJY— かーむ@MTGアリーナブログ (@calm_blog) June 27, 2022
少しだけ勝てるようになりましたが、基本的にバント決め撃ちが成功するかどうかというバクチのようなピックをしていたので、なんで勝てるようになったのかはよく分かっていませんでした。
分かったことと言えば、「盾カウンターって強い」ということと、この時期のドラフトパックになっていた『ニューカペナの街角』の大まかな環境速度、そしてリミテッドにもアーキタイプが存在するということくらいでした。
奥様、リミテッドにもアーキタイプが存在するんですってよ。
そうリミテッドにもアーキタイプが存在する。これに気づいた時にはびっくりしました。
いや、リミテッドにもアーキタイプが存在するってこと自体は聞いたことがあったんですが、「たまたまそれが実現できるカードが自分のカードプールにあった時に組めるもの」くらいの認識しかなくて、自分で目指す(or作る)ものだとは思っていませんでした。
その意味では、この時点でもまだリミテに対する「運ゲー」というイメージが残っていたんでしょう。(実際運のファクターはあるとは思う)
しかし実際には、ピックやプールから、目指すべきアーキタイプが存在していました。
例えば『ニューカペナの街角』であれば、「奇襲」と「犠牲」を固めてサクリファイスっぽくアドバンテージを取りながら戦うデッキが組めるとか…
市民で固めると市民ボーナスで戦線を強化しながら戦う部族デッキっぽくなるとか…
青黒の「墓地に5種類以上のマナ総量がある限り」ボーナスカードが「謀議」と相性がいいとか…
普通にコモンだけの組み合わせでも成立する「アーキタイプ」と呼べそうな組み合わせが明確に存在していて、少なくともドラフトではそのアーキタイプを目指してピックしていくことができるということを知れたのが、6月の一番の収穫でした。
今思えば当たり前ではあるんですが、当時はせいぜいマナカーブとクリーチャーの枚数を気にしながら強そうなカードをピックしていく、くらいのことしかしていなかったので、自分の中では大きな学びでした。
リミテッドは触っていなかったものの、友人のぞんびさんがnoteで書いてるリミテ記事には目を通していたんですが、読み返したらちゃんとアーキタイプについてがっつり触れていてびっくりしましたね。
何かから学びを得るにも、そのために必要なレベルがあるというのもまた学びでした。
それでも上手くなりたい②修行編~7月~
このままではいかん。
そう思い、7月に入ってからは少し取り組み方を変えました。
闇雲にランクマに潜っても上達の頭打ちが見えていたので、練習からしっかりとフィードバックを得るために、半ば無理やりではありましたが、自分の中で勝手にテーマを作って練習するようにしました。
フェイズ1:テーマを決める
ちょうどドラフトのパックが『ニューカペナの街角』から『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』に変わり、新環境が訪れました。
「計画を立てないことは、失敗を計画しているようなものだ。」
私の好きな言葉です。
6月は何も考えずにドラフトをしてしまったという反省から、バルダーズゲートのドラフトをするにあたって、まずは以下のようなものを把握するというのをテーマにしました。
・おおまかな環境速度(アグロ環境か?ミッドレンジ環境か?)
・各色の雑感
・環境に存在するアーキタイプ
・汎用コモン、アンコモン(使って/使われて強かったカード)
具体的な内容は長くなるので割愛しますが、タコ負けして日本円にしておよそ5000円ほどを失いながらも、なんとかおおよその輪郭をつかむことに成功しました。
フェイズ2:カードの知識を深める
フェイズ1はクリアしました。このままカードと環境の知識を深めていきます。
次はもう少し踏み込んで、以下のような項目の把握に努めました。
・汎用コモン、アンコモン
・除去、コンバットトリックなどインスタントタイミングのカード
・組み合わせると強い特定のカード群
・アーキタイプの核になるカード
前回の反省から、アーキタイプを意識してカードプールを把握していきましたが、アーキタイプ関係なく強いカードたちがあるということにも気づきました。(そらそう)
例えばこんなカードたちです。青がないのは、青は弱いからです。(個人の感想です)
そして盤面崩壊につながるインスタントタイミングでの除去やコンバットトリックも頭に入れました。
次に、組み合わせると強いカードのペアにも注目しました。
あとは序盤でそのカードが流れてきたらそのアーキへのピックを進めるきっかけになり得るような、特定のアーキタイプの核になるキーカードも確認しました。
例えば《至極の刀、オージ》はアゾリウスブリンク、《月の踊り手、トレラッサーラ》はセレズニアライフゲインのアーキタイプでは重要なパーツになります。
想定外、そして慟哭
よし、勝つために必要な情報は頭に入った。あとはそれを実践するだけだ。
しかし、これまでに蓄えた知識を再確認し、意気揚々とランクマへと潜りこむ。
ちょちょいのちょいで初のリミテッドミシックに到達し、圧倒的な勝率を根拠にnoteで有料記事を書き、西麻布にnote御殿を建立するという夢を描いていた僕を待っていたのは、果たして地獄であった。
まず歓迎してくれたのは「二体掛り」や「集団戦術」といった攻撃時に誘発するギミックたち。先に殴れる先手の有利がかなり大きく、先手ゲーの2文字が燦然と輝きます。
そして《ギルド公認のコソ泥》や《祝福のヒポグリフ》を始めとした頭のイカれた優良コモンたち。
コモンたちについてはこっちも使えることが多いとは言え、コモンの中でもカードパワーの落差が非常に激しく、序盤から普通にかなり不利な交換を迫られる展開が多発する素晴らしい環境だということをガツンを思い知らされました。
さらに、それに拍車をかけるぶっ壊れたボムレアたち。
多少の盤面やリソースの不利などものともせず、こちらが頑張って積み上げたリードを無慈悲に粉砕してきます。
なんなん君ら?開発者出てこい
意気揚々とランクマに乗り込んでみれば、そこに待っていたのは先手ゲーかつレアゲーというリミテッド初心者には地獄の環境でした。
自信が、メキメキという音を立てて折れていきました。
それでもピックやプレイにも日々学びがあり、新しいゲーム体験を重ねていくのが純粋に楽しく、「バルダーズゲートおもれ~」とか言っていたら友達に怪訝な顔をされました。
ちなみに楽しくはあったけど、1日に何回かはモニターを割りそうになってました。
『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。
「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になるんですよ。途中で止めるから無理になるんです。途中で止めなければ無理じゃ無くなります」
私の嫌いな言葉です。
勝率が安定しないながらも日々ジェムとMPを犠牲にしながら楽しくドラフトに勤しみ、なんとか初めてのリミテッドミシックに到達することができました。
ついに初リミテミシック。
先月上旬は「プラチナいけねぇ😭」とか言ってた下手っぴでも頑張るといいことある!色々教えてくれたみんな、マジ感謝、マジリスペクト🙏
おかげでリミテッドの楽しさを知ることができました pic.twitter.com/0Y1XB1ndC9— かーむ@MTGアリーナブログ (@calm_blog) July 21, 2022
バルダーズゲートがあまりにもキツすぎて、最後のダイヤTier3~ミシックまではクイックドラフトの『イニストラード:真紅の契り』に逃げましたが、この2か月の研鑽の賜物か、スイスイと勝ててミシックに到達できました。
「ミシックになっただけで何を大げさに」と思うかもしれませんが、リミテッドをやり始めたころからミシック到達は1つの目標にしていたし、5月にはマジモンのクソ雑魚だったことを思えば、ちょっとだけリミテッドが上達したようでかなり嬉しかったです。
やっぱりゲームをしていて最も楽しい瞬間の1つは、自分の上達を実感できた瞬間にあるんだなあと改めて思いました。
おわりに
というわけで、今まで構築フォーマットでしかMTGを遊んでこなかった男がリミテッドにハマってミシックに到達する2か月間のお話でした。
あれだけやらず嫌いしていたのに、今となっては「なんでこんなに面白いものを今まで遊んでこなかったんだ」とすら思っています。
今度周りのMTG友達にクレームを付けたいと思います。
この2か月リミテッドで遊んでみた中で、デッキを作る楽しみ、攻略法を見つけたときの楽しみ、自分が上達しているのを実感する喜び、そして自分の短気っぷりを思い出させてもらいました。
僕はアリーナでしかMTGをプレイしてないので、テーブルトップやMOが盛り上がって少し寂しさも感じていたし、そもそも最近プライベートが忙しすぎて競技的にMTGを楽しむのも難しくなっていましたが、MTGアリーナはまだまだ僕を楽しませてくれそうです。
引き続き、できる範囲でMTGを楽しんでいきたいと思いました。おわり。
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