おっすおっす。
かーむです。
突然ですが、今回はコラボ記事をお届けします。
お相手はnoteで重厚なリミテッド記事を定期連載しているぞんびさん。
記事の執筆の他に、MTGの配信者や動画投稿者による非公式大会『まじ☆すと』の運営もしているMTG大好きマンです。
『まじ☆すと』は今後新しいイベントもやるみたいです。
新企画のお知らせです!その名も『まじすとビルダーズSP』
過去に参加いただいたプレイヤーから、優勝者/決勝T常連/デッキ賞受賞者から選んだ【チャンピオン】VS【チャレンジャー】という形の対戦企画です!
さらに詳しい情報はまた出します!新スタンダードのお披露目、みてください!#まじすと pic.twitter.com/3Oh60yFEGo— MtGAstreamer_tournament/まじすと (@mtgastreamer) August 31, 2022
企画概要
今回の記事はどういったコラボなのか。
それをお話するには、まずは今回のコラボ相手であるぞんびさんとの出会いから始めなければなりません。
僕がMTGアリーナをはじめてすぐ、「MTGアリーナギルド」というDiscordのMTGアリーナのオンラインコミュニティに参加し、そこで初めてMTGアリーナ絡みの友人グループができました。
当時はその友人グループで毎夜Discordに集まってはわいわい話しながらMTGアリーナをプレイしていましたが、そのグループの一人がぞんびさんでした。
ぞんびさんはグループの中でもひときわMTGが上手かったのもあって、よく画面共有しながら色々とプレイを見てもらっており、僕が初めてミシックに到達したときは朝の5時まで付き合ってくれたりしていました。
言うなればぞんびさんはMTGアリーナのでの僕の最初の師匠でした。
冒頭にも触れましたが、ぞんびさんと言えばnoteで定期連載しているリミテッド記事。
一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
僕は長いことリミテッドをやらず嫌いしていたのでぶっちゃけ流し読みしかしていなかったのですが、最近リミテッドにハマったのもあって記事を熟読するようになりました。
これがまたよくできてる。
このリミテ記事群、大いに助けになりました。
カード単体じゃなくて、どう運用するかみたいなとこが細かく書いてあって45枚くらいから40枚に絞るところは視線をデッキと記事で反復横跳びさせてた。サンキューぞんび@zombie_deadman https://t.co/GORFjLKlLM https://t.co/nQXdVMAS43
— かーむ@MTGアリーナブログ (@calm_blog) June 27, 2022
その甲斐もあって、初めてリミテッドでミシックに到達もできました。
ぞんびさんとも、結構深いリミテッドの話もできるようになりました。
そして思いました。
俺は成長した。
もうぞんびさんと同等…いや、もしかしたらもうぞんびさんを超えたのでは?
うん、超えた。超えたことにしよう。超えてます。決定。
そう、師を超えることこそ弟子の本懐。
この俺がぞんびさんをリミテッドで超えたことを証明するのが、ぞんびさんにとっても幸せなのだ。(曲解)
次回エキスパンションからは俺が代わりにnoteで『かーむが教える10割勝てるリミテ講座』を連載してやる。もうお前の役目は終わりだ。
今回はこんな感じで遊んでみる
というわけで今回は、主にリミテッド目線で「カードを見る目」をぞんびさんと競ってみることにしました。
ざっくり言うとこんな感じです。
・かーむとぞんびで、「カードを見る目」を競います。
・いくつかのお題に沿って、各々カードのランキングを作ります。
・次に、お互いのランキングを見て相手のランキングの内容を寸評します。
⇒つまり相手の「カードを見る目」を寸評しあいます。
ランキングで選んだカードについては、それを選んだ理由や背景などもコメントしているので、自分ならどんなランキングにするか、僕らのランキングに納得できるか、みたいなことを考えながら読んでもらえるとより楽しめると思います。
「いや~コイツはこう言ってるけど、俺ならこういうランキングにするわ~全然わかってないわ~」みたいなのがあれば、気軽にTwitterで凸ってきてください。
ぞんびさん側の記事はコチラから。
各色トップコモン ランキング
それではさっそく行ってみましょう。
まずは定番の各色トップコモンランキングから。
ド定番のランキングですが、ドラフトであれば最も多くピックするのは通常コモンであり、シールドであってもカードプールの多くを占めるのはコモンです。
他のレアリティよりも評価をする機会が圧倒的に多いコモンにおいて、どれが最も来てほしいコモンかを発表するというのは、「カードを見る目を競う」という今回の企画にもマッチしているんではないかということで、まずはトップコモンのランキングから始めてみたいと思います。
シールドよりはドラフトでの目線が強くなりそうですが、僕の評価軸としてはだいたい以下の3つです。
・プールの中にあったら積極的に使いたい(ピックしたい)
・重なってたら重なってるだけ使いたい(たくさんあると嬉しい)
・アーキタイプに絡む(色んなデッキで使いやすい)
要は『アルケミーホライゾン:バルダーズゲート』で言えばコイツみたいなカードです。
環境の超雑感
最初に前提と言うか、個人的なセット全体の超雑な感想から。
まずセット全体としてはクセがあるカードも少なく、再録カードもそこそこあって基本セットっぽい収録内容だなあという印象。
そして全37枚にもなる多色呪文の多さも目を引きます。
再録キーワード能力の「キッカー」持ちのカードがコモンからレアまで広く収録されていますが、いずれも呪文本来の色以外がキッカーコストになっており、キッカーコストを考慮すると半分多色呪文ともとれます。
加えてコモンには基本地形タイプを持ったタップイン2色土地が用意されており、多色化が比較的やりやすい雰囲気。
とは言え、均等3色や4色以上のガチャガチャしたデッキがぶつかり合うという感じでもなく、2色にタッチでもう1色加えるかどうかくらいに落ち着くんじゃないかと思っています。
多色呪文は全てアンコモンになっていますし、同じ色を2つ以上要求するマナシンボルがきつめのカードも多いことなどが理由です。
ただもう1つの再録キーワード能力には、コントロールしている基本地形タイプが多いほどボーナスを得られる「版図」もあるため、マナサポートがしやすい緑を含んだ場合には各色の強力なカードを取り込んだ4色以上のガチャガチャデッキもありな気もします。
あとは各色のアーキタイプですが、全体的に薄いかな~という印象です。
『ニューカペナの街角』の「謀議」や「犠牲」といったデッキの方向性の指針になるような強力なメカニズムもなく、『神河:輝ける世界』の青黒忍術や白緑エンチャントのような強いコンセプトを持ったデッキは作りにくく、薄っすらと白絡みの「横並べ」や黒絡みの「サクリファイス/墓地活用」のようなシナジーがある程度かなと思います。
前置きが長くなりましたが、各色のトップコモンランキングの方に入っていきましょう。
【ぞんびさんのコメント】
各色のアーキタイプに関しては、公式記事の『団結のドミナリア』にあり、「その2」にて単色アーキタイプという概念が語られていますね。
公式のこのようなデザイン記事は意図まで含めて環境デザインが書いてあるので、読むと理解度の土台をつくることに役に立ちます。
今回は特にこの『単色のアーキタイプ』という概念の存在を理解しているかは、この後の記事に影響が出るんじゃないかい???
白:《アルガイヴの騎兵》
白のトップコモンに選んだのは《アルガイヴの騎士》。
本セットの新キーワード能力の「後援」持ちのクリーチャーですね。
トークンと合わせて3マナ3/3相当と白のクリーチャーとしてはスタッツだけでも評価できますが、後援能力で自分より重いクリーチャーとのトレードも期待できるため、3マナ域にしてゲーム終盤でも盤面に影響力を持てそうです。
トークンを伴って場に出る後援持ちということで、単体で完結しているカードですが、1枚で2枚のクリーチャーを場に出せることから、白or白緑の横ならべ戦略や黒を絡めたサクリファイスとも相性がよく、コモンにして高い汎用性を持っているという評価で白のベストコモンとしました。
他の候補としては《庇護のグリフィン》がありました。
2/3のスタッツはコモンの飛行同士のぶつかり合いだと悪くても相打ちが取れるサイズですね。
さらに一度でも能力が誘発して3/4で殴れれば、一方的にブロッカーを打ち取るかダメージレースを先行できるかしそうで強いかもと思いましたが、4マナと軽くはないのでそんなに重ねたくないかな~ということで次点としました。
ちなみにトップコモンに選んだ《アルガイヴの騎士》と相性がよく、本体とトークンが場に出ることで能力が2回誘発します。何なら両方デッキに入れて使ってみたいですね。
【ぞんびさんのコメント】
横ならべをする必要があるという点にちゃんと着目して選べていていいじゃん! グリフィンにもちゃんと触れているね。
でも評価という点なら、《市民の拘束》をなぜ入れていないかについて触れてほしかったなぁ!
青:《飛翔するドレイク》
青のトップコモンは《飛翔するドレイク》にしました。
青で3/2/3は標準的なサイズなのですが、なぜか飛んでます。
基本は攻めで使いたいカードですが、本セットのコモンのクリーチャーはパワー2のクリーチャーが49枚中29枚(アーティファクト除く)と小柄なものが多く、受けに回った際にもタフネス3がうれしい場面は多そうです。
割と使われそうな《流動石の注入》で除去されないのもいいですね。
次点は《タラスの見張り》にしましたが、こっちをトップコモンにするかどうかは結構迷いました。
4/3/2飛行に1ドロー以上の大きなオマケ付きのクリーチャーですが、多色環境になりそうな中でのダブルシンボル=青をメインカラーにする必要があるのが少し気になり、迷った末に《タラスの見張り》の方を次点としました。
青ダブルシンボルはアンコモンにかなりいいカードたちが揃っているので、この辺りが拾えているなら《タラスの見張り》を優先しそうです。
【ぞんびさんのコメント】
青は受けに回りそうな色だから、ブロッカーとしてのタフネスラインを設定するというやり方は目の付け所がいいですね。
ただし、一個致命的な見落とししてない?
そう、この環境は後援を始めとした自力でパワー上がる要素があることですね。というか黒のところで自分で書いてるやんけ!
そもそも接死やブロックされない、死亡時-1/-1なども止まっていません。
更には止める必要がない壁や、誰も使わないカードなどもあります。
そういった要素で補正すると実は止めれてるのは10/45しかないですね。
ということで、目の付け所は良いながらも致命的な見落としは残念で低評価星1といわざるを得ません。(カードとしては十分強いよ
スペル軸について一切触れてないのもちょっと気になったかな?
黒:《光の消滅》
黒のトップコモンは《光の消滅》。
リミテで除去ばっか積んでもそんなに勝たない印象なので、あんまり除去カードを選びたくなかったんですが、インスタントの確定除去はさすがに強かったので選出。
今回、相手の攻撃クリーチャー指定ステップで誘発するキーワード能力「後援」や、マナを払うことでパワー/タフネスに修正をかける起動型能力を持ったクリーチャーがそこそこの数いるので、いつもよりインスタント除去の価値が高めかな?というのも加味してみました。
相手が「後援」や起動型能力で強化されたクリーチャーにインスタント除去を当てることでテンポを稼いだり、リーサルを逃れたりする機会は割と多いんじゃないかなと予想しています。
黒のトップコモンの次点で選んだのは《ファイレクシアの憤怒鬼》でした。
2001年発売の『アポカリプス』というエキスパンションで初収録されたカードの再録なんです。
何を隠そう私、このカード大好きでして、理由なしのシンプルな好みで危うくトップコモンにするところでした。ちなみにアポカリプス版のフォイルも大事に持っています。
いや実際3/2/2にドローがついていて、手札を減らさずに盤面に肉を送り出せるというのはなかなか強く、1点のライフルーズを払う価値は十分にありますし、リミテでも普通に使われるでしょう。
2~3枚なら重ねて取れたら使いうるかな~というのもあったんですが、《ファイレクシアの憤怒鬼》がほかの3マナ圏クリーチャーに押し出されてデッキに入らない(減らす)ことより、4マナインスタント確定除去の《光の消滅》がデッキに入らない(減らす)ことの方がなさそうだな、ということで評価軸の「重なって嬉しい」に従って次点としました。
ニューカペナの《鼓舞する監視者》ならあればあるだけ入れますが、これが「平成と令和の差」なのか・・・
【ぞんびさんのコメント】
まぁそうだよねw
後コンバットに介入するインスタントの大事さに触れているのもいいですね。
かーむさんは残念ながら触れていませんが、起動型能力だけでなく巨大化系呪文も今回は豊富なので。
次点についても妥当じゃん。クリーチャーを出すこと自体の黒の重要性ももう少し書いてよかったかもね。
赤:《稲妻の一撃》
赤のトップコモンは、こちらも安直ですが《稲妻の一撃》。基本セット2019から4年ぶりの再録ですね。
なんとか難癖をつけて他のカードを選びたかったんですが、さすがに強かったです。
《光の消滅》と同じくインスタントの除去ということも加点要素になっていますが、3点のダメージはかなりの守備範囲で、コモンクリーチャーで言えば49枚中36枚が射程に収まっています。
さらに顔面にもダメージを飛ばせて直接リーサルにも絡んでくるとあって、何枚でも欲しいですね。細かい理由たくさん書く必要もないくらい、汎用的かつ強いコモンカードと思います。
【ぞんびさんのコメント】
流石に流石に。変な逆張りできないよねw
タフネスの方は今回変動要素が少ないので、このデータのとり方でいいと思います。
ちゃんとリーサル意識のことも触れてあっていいですね。
綺麗にまとまってて感心しました。
緑:《花咲く蔦壁》
各色トップコモンランキング、最後を飾る緑のトップコモンは《花咲く蔦壁》。
何かの間違いかと思って3回くらいテキストを読みなおしましたが、場に出た時に上から6枚見て土地カードを1枚「手札に加えます」。
「ライブラリーの一番上に置く」じゃないかと思ったんですが、何回読んでも「手札に加える」と書いてありました。
手札に加えるカードも基本土地でないといけないなどの制限もなく、コモンのタップイン2色土地も問題なく手札に加えられるため、緑に多い版図カードを活かせる多色デッキで重宝しそうです。
緑は4マナ以降のマッシヴなクリーチャーに恵まれているので、それらのクリーチャーをしっかりとプレイできるよう、多色系でなくとも土地がちゃんと伸ばしやすいのはいいですね。
そんなに土地が欲しいなら最初から土地入れとけばいいじゃん、という反論もありそうですが、土地を拾いつつ場にクリーチャーが出せるのにはいくつかのメリットがあります。
白の横並びや黒のサクリファイスのタネになり、強さは未知数ですが防衛をテーマにしたアーキタイプにも貢献します。
他の候補は《沼アナグマ》や《エルフェイムのワーム》でした。
特に《エルフェイムのワーム》はコモンにして5マナ5/4警戒トランプルと緑らしい強力なクリーチャーでかなり迷いましたが、ピックしやすさと使いやすさ、そして重なっても嬉しいというところから、今回は《花咲く蔦壁》にしてみました。
正直、各色の中で一番自信がないので、『団結のドミナリア』がリリースされたら緑ランプ/緑版図は積極的に試してみたいです。
【ぞんびさんのコメント】
まず、噛みしめを1位にしていないことに感動しました。
ただしこのカードの評価は難しいですね。
ぞんび的には『多色を目指すのに色を狙えない点』『相手の攻勢を押しとどめれない点』を厳しいとみています。
弱めの環境科学じゃん、そしてあっちはメインデッキに入れないじゃん、と。
選定理由としてアーキタイプの形成や流れに触れていることは有意義なので、評価としてはありですね。
ちなみにエルフェイムのワームはさすがに1位は厳しくないかな?バウンスやタップめちゃくちゃあるから、5マナ生物に頼るのリスクでかいよ。
アーキタイプサイン ランキングTOP3
次のランキングはアーキタイプのサインになるカードランキングTOP3。
このタイミングでこのカードが流れてきたら、そのカードを強く使えるアーキタイプに進んでいいんじゃないか?というサインになるカードをランキングしてみたいと思います。
『ニューカペナの街角』で言えば、《大都市の天使》が早い段階で流れてきたら謀議や盾カウンター持ちのクリーチャーを集めていきたいな、とかそんなイメージです。
僕は今回、アーキタイプとしての色のつながりはそこまで強くないんじゃないかという印象を持っているのですが、まずはそこから合っているのかちょっとドキドキですね。
3位:アルガイヴの徴募人、ベイルド
アーキタイプのサインになりそうなカードランキング3位は《アルガイヴの徴募人、ベイルド》です。
エンド時にパワーに何らかの修正がかかったクリーチャーをコントロールしていると1/1クリーチャートークンを生成するということで、分かりやすく「後援しろ」って言ってますね。
本人に後援が付いてないのがアレなのと、この環境で赤白系のアグロがどのくらい通用するか自信がなかったため3位にしました。
後援でデカくなったクリーチャーが相手ブロッカーにぶつかった場合は生きては戻らず、トークン生成させてもらえなさそうですが、その時は恐らく有利なトレードができていると思うのでどちらにせよ得できるでしょう。
後援持ち以外にも、本セットではマナを払うことで修正がかかるクリーチャーもそこそこいますが、それらのクリーチャーとも相性がいいですね。
白にはトークン生成など横並びしやすいカードもあるので、そういったデッキであればリーサルで仕留めきるカードとして《英雄的突撃》を採用するのもアリかもしれません。
【ぞんびさんのコメント】
いやーーーどうかなーーー。 2T目に出してもしばらく能力が誘発しなくて、誘発する頃には影響力が小さそうなのがほんとに気になります。
赤白は並べてから攻めるというよりは、攻めながら並べたいという形になると思うので、このカードの重要性はそこまで高くなく流れてきやすい=信頼できないシグナルじゃないかなぁ。
全体強化が2枚あることを意識できているのはナイスです。
2位:翼套の司祭
アーキタイプのサインになりそうなカードランキング2位は《翼套の司祭》。
場に出た時に、自軍の防衛持ちクリーチャーの数だけ1/1飛行トークンをばらまきます。
さらに後出しの防衛持ちにも1/1飛行トークンのボーナスが付くため、後引きにも対応してくれる手厚いサービス。
『団結のドミナリア』では各色のコモンやアンコモンに防衛持ちクリーチャーが収録されており、アンコモンの防衛持ちは防衛クリーチャーの数を参照した能力を持ったものになっています。
《荒廃の塊》は直接的にライフを狙っていけるうえ、防衛ですがパワー3があるのがいいですね。ぜひピックしたい。
パワーが0だと相手は遠慮なくフルパンしてきますからね。
僕が《翼套の司祭》、というか防衛アーキタイプを評価しているのは「安そうだから」です。
《囈語のバリケード》は他のデッキでもピックされそうですが、《盾壁の歩哨》などの防衛を参照するカードは、防衛アーキタイプ以外ではほぼスタッツが悪くて殴れもしないクリーチャーでしかありません。
そのため、防衛アーキタイプをやっていないプレイヤーのピック優先度はかなり低いんじゃないかと見ていて、逆に自分がやっている場合にはかなりの数の防衛持ちクリーチャーをかき集められると予想しています。そして、防衛アーキタイプは構造上防衛がたくさんいるほど強くなります。(たぶん)
《荒廃の塊》や《翼套の司祭》が流れてきてたら防衛やってるやつが近くにいない分かりやすいサインというのも加点ですね。
防衛持ちをたくさん集めないといけない都合上、2パック目以降からはちょっと入りにくそうではありますが、本来やりたかったピックができなさそうな時のBプランとしてはなかなか有用なんじゃないかと踏んでるんですがどうですかぞんびさん!?
【ぞんびさんのコメント】
難しいところ持ってきたねまた。
壁デッキはぞんび的にはアーキタイプとして成立しないレベルだと正直思ってます。
アンコモン依存度が激しいどころか、戦術として後援に弱すぎて不安があるためですね。
しかしその中ではこのカードだけ群を抜けて強く、これが取れるならアーキタイプに行こうという決意には十分なりますね。 安く参入できるという着眼点も、アーキタイプを把握する上で重要です。 というわけで、アーキタイプとして不安はあるが、シグナルとしては十分という難しい位置です。 良い目の付け所ですね。
1位:憎悪の手、ラゴモス
アーキタイプのサインになりそうなカードランキング1位には《憎悪の手、ラゴモス》を選びました。
分かりやすくサクリファイスにマッチしたデザインなので、色が合ってるだけですぐに取られそうですが、ドラフト1パック目で取れたら赤黒サクリファイス方面に走っていってもいい気がします。
《囈語のバリケード》や《ファイレクシアの軍馬》あたりのタネにするもよし、《骨の粉砕》の追加コストに充てるもよし。
トークンは勝手に生贄にされて死亡していくので毎ターン《センギアの鑑定者》を育てるのも良さそうです。
また、トークンは速攻持ちなので後援持ちクリーチャーとも相性がいいですね。
【ぞんびさんのコメント】
そもそも赤黒はまず生贄アーキタイプじゃないという判断ですね。
生贄もできるようにはなってるけど。
攻撃するアーキタイプ、という認識で見るとパワー2しかないトークンがどれだけ強いかはちょっと不安です。
そして不安があるカード=その色を目指していてもとられないことがあるカードだと思うのでこのカードをシグナルとして頼るのはちょっと怖いように思うよ。どう?
でも、シナジー形成できるカードに触れてるのはいいね。これが黒に偏っているから、赤黒をやるシグナルじゃなくて黒をやるシグナルとして捉えるって考えのほうがよかったかもね。
ケアしたいカード/シチュエーション ランキングTOP3
続いては「ケアしたいカード/シチュエーション ランキング」のTOP3です。
これはぞんびさんから突き付けられたお題なんですが、なんでもこのセットには「特定の行動をするときに頭によぎるべきカード」があるらしい。
「かーむさんにわかるかな~?わっかんねーだろ~な~」とのことだったのでズバリ当ててやろうと思います。
3位:《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》
「特定の行動をするとき、頭によぎるべきカード」第三位は《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》です。
横ならべから出されてフルパンされると困りますね?それが理由です。以上です。
・・・カンが良い方ならもうお分かりかと思います。
そう、数合わせです。
TOP3ランキングですが、それらしい答えを3つ用意できませんでした。
後に出てくる1位の部分に全てをかけました。
あ、いま手抜きだと思いましたね??
ちょっと待ってほしい。これでもフルスポを十何回も見直したんです。
「このコンバットトリック刺されたら困るな」くらいのカードは普通に見つかりますが、そりゃコンバットトリックなんだから刺されたら困るのは当たり前です。
しかしランキングに入るような形で「このシチュエーションの時はこれを警戒しなきゃ」みたいな特筆級のものは見つかりませんでした…
【ぞんびさんのコメント】
実はこれが一番僕の想定に近いです。エラスに気づくのはエラすぎる。
エラスに限らず、白は横並びした後に急に破壊力が増えることが多いので、並べてる間にゲームをこちらから動かす意識は大事かもしれませんね。
2位:《庇護のグリフィン》と《ラノワールの追跡者》
2位は《庇護のグリフィン》や《ラノワールの追跡者》のからみです。ほかのクリーチャーが出た際にデカくなるクリーチャーですね。
《ラノワールの追跡者》はあんまりですが、《庇護のグリフィン》はよく盤面で見かけるカードになりそうですが、白という色もあいまって、デッキが横並びしやすいように組まれていることが多いはずです。(たぶん)
ソーサリータイミングで普通にクリーチャーが出てくる分には普通にケア(=可能性が頭をよぎる)できると思いますが、アンコモンに瞬速持ちの《毅然たる援軍》がいます。
戦闘フェイズに出てくれば実質コンバットトリックとして機能するため、ダメージレースやリーサルの計算をズラすことができます。
逆に自分が《庇護のグリフィン》で攻撃しているときも然りですね。
他にもトークン生成がついた打消し呪文などもありますが、頻度としてはコイツが一番多いはず。
ずばり、ケアすべきカード2位は《毅然たる援軍》です!
【ぞんびさんのコメント】
ラノワールの追跡者ってぶっちゃけアンプレだからケアもくそもなくない?
後、インスタントのクリーチャー展開もアンコモン1枚しかないのでどれほど重要かはわかりかねます。
でも、自分が強いと思ったカード(庇護のグリフィン)についてちゃんと考えてあるのは大変偉いですね。
1位:後援誘発後のマイナス修正
「特定の行動をするとき、頭によぎるべきカード」。
わざわざぞんびさんから出されたお題なので、単なるコンバットトリックなわけがありません。なめないでいただきたい。
しかし僕はすぐにピンときました。
新キーワード能力の後援です。後援のテキストは以下の通り。
このクリーチャーが攻撃するに際し、あなたがコントロールしていて召喚酔いの影響を受けておらず攻撃してもいないクリーチャー1体をタップしてもよい。そうしたとき、ターン終了時まで、このクリーチャーのパワーにそのタップしたクリーチャーのパワーを足す。
うん、リミテが楽しくなりそうないい能力ですね。
そして、『団結のドミナリア』のメカニズムを紹介している公式ページではこのような記載があります。
あなたがクリーチャーを後援させた場合、その後援能力を持つ攻撃クリーチャーはターン終了時まで+X/+0の修整を受けます。Xは後援させられたクリーチャーのパワーです。この修整は、この誘発型能力の解決時に計算されます。
ここで注目すべきところはどこか。
そう、「この修正は、この誘発型能力の解決時に計算されます。」の一文ですね。
パワーの修正を受ける値は、クリーチャーをタップした時ではなく、「そうしたとき、ターン終了時まで、このクリーチャーのパワーにそのタップしたクリーチャーのパワーを足す。」が解決されたときです。
ということは、後援のためにクリーチャーをタップしたあとで、そのクリーチャーのパワーが変わると、後援能力の解決後に受ける修正値も変わります。
つまり、「頭によぎるべきカード」はコイツらです。
後援が誘発してから解決するまでの間に、後援のためにタップしたクリーチャーにこれらのカードでパワーを下げられると、想定していた修正を得られなかったりするわけですね。
特に《アーボーグへの貢納》に関しては、大きなマイナス修正をかけられてパワーがマイナスに割り込んでしまった場合、後援能力によって後援持ちクリーチャーのパワーがむしろ減る可能性すらあります。
しかしその時点では既に後援持ちクリーチャーは攻撃クリーチャーに指定しているため、もう攻撃をやめることはできません。大シャクりを食らいます。
【ぞんびさんのコメント】
後援が影響が大きそうとあたりを付けて、そこから絞り込んでいく流れは本当にいいですね。
アーボーグへの貢納をうつことでパワーを逆に下げてしのげるのもいい着眼点です。
ただ、機を見た干渉の方は後援する前と後どっちに打とうが関係ないため、実質意味がないですね。
一個苦言を呈すと、後援は『相手を突破しないといけないとき』に使う能力であることです。
つまり、ケアして後援をしないならば結局殴れない状況でターンを進めるしかないということですね。ケアしても解決しない場合が多い。
なので、ケアをしたうえで、どういう状況ならば殴らないことが利になるかを皆さんはちゃんと考えておきましょう。
答え合わせ
ということで筆者の想定していたシチュエーションは『コモンの条件付き軽減を行うファッティサイクル』でした。
これらは各色のアーキタイプに沿う条件をまず持っているため、扱いやすく、また象徴的なよく見るカードになると思っています。
どれもスムーズに軽減(3程度)されて出されるとかなり厳しいカードですね。
ここで注視するべきは赤と白だけ、『盤面状況が条件になっている』つまりこちらから介入することができるということです。
スムーズに出される前のタイミングで除去をうち、(アルガイヴの騎兵着地後トークン生成前など)数をずらす意識が必要です。
また、4、5T目に後援しながらアタックされたら溶鉄の大怪物を意識して、ちゃんと相打ちを取るなどです。
しかし更に今回は猛然たる怒声があります。4T目にアタックされる⇒相打ちを試みたらこれを打たれた上で更に5/5が着地して終わります。
これは相手が赤い以上ケアするべきだと思っています。
4T目に安直にブロックすることは死につながることがあり、『それより前に相打ちしておく/するためのクリーチャーを出す』『我慢してのちのマシな状況で相打ちを試みる』
という選択肢は常に必要だと思います。
あともう一個ケアを考えると、青/白の一時的除去がコモンに多く強いことですね。
それらのカラーの攻めるデッキに対して『4T目にブロッカー出せば抑え込める』というようなゲームプランは非常に危険だと思います。
《花咲く蔦壁》の不信感や《エルフェイムのワーム》のリスクですね!
プレイマットにしたら映えるカードランキングTOP3
最後はプレイマットにしたら映えるカードランキングTOP3。
『団結のドミナリア』のカードの中で、もしプレイマットになったら映えるであろうカード3つを選出します。
カードゲーマーたる者、イラストも楽しむべし。
上のぞんびさんからのお題では白旗を振る形になりましたが、美的センスなら勝てるはず。
それでは行ってみましょう。
3位:《爪のライヴァズ》
3位は《爪のライヴァズ》。
1つくらいはキャラクターを入れようと思ってイラストを見ていて引かれたのが彼でした。
まず、断言しますが男の子はドラゴンが好きです。
だってカッコいいもの。
厳密に言うと彼自身はヴィーアシーノという種族で、いわゆるリザードマンなのですが、彼自身も背後のドラゴンもめちゃくちゃかっこいい。
暗い洞窟で目覚めたようにも見える大きなドラゴンは、墓地からドラゴンを唱えられるというライヴァズの能力を表現したものでしょうか。
これのプレイマットがあればかなり映えるんじゃないかな~ということで3位に選ばせてもらいました!
【ぞんびさんのコメント】
ぞんびは暗い色調のイラストはプレイマットにしたくない会に入っています。
しかしこのカードは黒を基調としていながらも差し込む光、そしてライヴァズの肌の明るさによってかなり“映える”雰囲気になってますね。
横長の図にすることで置くのはドラゴンの雄大さも際立っていいですね。なかなかいいじゃん。
2位:《珊瑚の群棲》
2位は《珊瑚の群棲》です。
本体である珊瑚の壁の下には、フレイバーテキストの通り、マーフォークの帝国であるヴォーデイリアを侵攻しようとした者たち(ファイレクシア人?)の残骸が沈んでいて、いい味を出しています。
輝く水面、差し込む日差し、沈んだ残骸、そして長いときが経ったことを語るような珊瑚や藻が本当に美しい。
【ぞんびさんのコメント】
あ~~~これも光の加減がきれいでいいですね。
やはりプレイマットに大事なのは明るさですね。わかってらっしゃる。
これも横長のプレイマットの良さを活かせるイラストになっていて一貫性がありますね。
1位:《アダーカー荒原》
今回再録されたダメージランドはいずれも美しいイラストですが、の中から1枚だけ選ぶとすれば《アダーカー荒原》です。
どうですかこのウユニ塩湖じみた美しさ。
フレイバーテキストも含めて最高ですね。
兄弟戦争で不毛の地となったこの場所は、連合が敗れた先にドミナリアが辿るであろう荒涼たる運命をありありと思い起こさせる。
プレイマットにするでも、ポスターにするでも、個人的に『団結のドミナリア』のイラストの中で最も美しいカードです。
【ぞんびさんのコメント】
なるほどね~~~~~。
改めて言われると1位に見えてこないこともない。
いや実際良いなこれ。プレマ作ってよ。
終わりに
いや~フルボッコにされましたね。
記事を書く前まではリミテッド力はぞんびさんに並んだと思っていたんですが、悔しいことにまだ及ばなかったようですね。
そして今回、記事を書く上で、生まれて一番フルスポを見ました。たぶん上から下まで30回くらい見ましたね。
お題ごとに、テーマに沿うカードを探すのは楽しかったし、こんなに色々考えながらフルスポ見るのはめちゃくちゃ勉強になりました。
同時に、まだプレイしたことのないリリース前の環境を前提に新セットのカードすべてを評価した記事を毎セット書いてるぞんびとかいう男、素直にすげぇと思いました。
冒頭でも紹介しましたが、彼の記事、本当に勉強になるのでぜひ読んでみてください。
まだ彼のリミテ力には及ばないっぽいけど、引き続きMTG楽しんでいきます。
ではまた!
《Twitterもやってます!よかったらフォローお願いします!!》
《たいむましん様でスタンダードの記事も連載中!!》