おっすおっす。
かーむです。
昨夜、本当にいきなりでしたが、大量の禁止制限告知がありました。
スタンダード、ヒストリックほか各種フォーマットにおいて大きな変動になります。
今回はMTGアリーナでプレイ可能なスタンダードとヒストリックにしぼり、その内容をまとめました。
ソース:MTG公式サイト
今回の禁止制限告知の内容
前回の禁止制限は発効の1週間前に事前告知がありましたが、今回の禁止制限告知は事前告知なしで行われました。
昨夜8月3日に告知され、8月3日付で即日発効され、MTGアリーナでも既に反映されています。
また、今後も状況に合わせて、事前告知なしでの禁止制限があり得るとのことです。
正直、禁止制限の内容と同じくらい、今後も突然の禁止があることにも衝撃を受けました。
それでは、スタンダード、ヒストリックの禁止制限告知の内容を見ていきましょう。
スタンダード
スタンダードでは、《荒野の再生》、《成長のらせん》、《時を解す者、テフェリー》、《大釜の使い魔》の4枚が禁止となりました。
大枠としては、競技プレイにおいて強すぎた(勝ち過ぎていた)デッキを弱体化するための禁止とのことです。
そのため、今回禁止されたのは、どれもスタンダードにおける上位メタデッキで使用されていたカードたちになります。
勝ち過ぎていたデッキは、具体的にはティムール荒野の再生、ランプデッキ、サクリファイス系デッキになります。
前回の禁止改定の記事で、台頭しそうなデッキとして挙げていたアーキタイプが2つとも消滅してしました。
《荒野の再生》
このところ安定した、もっと言えば勝ちすぎていたともいえるティムール荒野の再生の核となるカードです。
プレイヤーズツアーファイナルにおいても使用率54%と脅威的な支配率を見せていました。
長い間高い勝率を維持してきた(強すぎた)ということで禁止となりました。
私見ですが、正直、《創案の火》が禁止されたときに一緒に禁止されるべきだったと思います。
方法は異なりますが、どちらも使えるマナを一気に2倍になる点は同じです。
また、フルタップで場に出したにもかかわらず、そのターンからアクションすることができるため隙がなく、それを使用していない、もしくは対策を持たないデッキのプレイングを過剰に狭めてしまいます。
《成長のらせん》
続いては《成長のらせん》。
こちらはティムール荒野の再生のみならず、各種ランプデッキに4枚固定で使用され続けてきたカードですが、プレイヤーズツアーファイナル初日において68%の使用率となっていました。
MTGアリーナのミシック帯においても25%~30%の使用率となっており、禁止となりました。
《大釜の使い魔》
3枚目は《大釜の使い魔》。
ティムール荒野の再生ほどではありませんが、サクリファイス系デッキも長期にわたって高い勝率を維持してきたことが禁止理由です。
また、サクリファイス系デッキがアグロデッキとミッドレンジデッキに対して圧力になっていた点、デジタルプレイにおいて誘発型能力の処理が双方のプレイヤーにとって煩わしい点も禁止理由に挙げられていました。
確かに、ティムール荒野の再生が消滅し、ランプデッキが弱体化されたとなると今度はサクリファイス系デッキが暴れてしまいそうではあるので、仕方ないといえば仕方ないですね。
《時を解す者、テフェリー》
最後は《時を解す者、テフェリー》。
多くのプレイヤーに愛され、そして憎まれてきたカードです。
インスタントタイミングでの呪文のプレイを完封する常在型能力が、圧迫感や窮屈さを生み出しているという理由で禁止となりました。
これまでも禁止を検討していましたが、ティムール荒野の再生デッキの抑止力となっていたため、保留になっていたそうです。
むしろ4色ティムール荒野の再生で活用されてたような
ヒストリック(一時停止)
続いてはヒストリックの禁止制限の内容です。
ヒストリックに関しては「一時停止」ということですが、おそらくこのまま禁止されることと思います。
前回のヒストリックの禁止制限告知でも、《裏切りの工作員》、《軍団のまとめ役、ウィノータ》、《創案の火》が一時停止からそのまま禁止となっています。
《荒野の再生》
またもや《荒野の再生》。
以前からヒストリックでもマークされていたカードです。
前回の禁止制限告知では、《運命のきずな》デッキ以外では問題ないということで、《運命のきずな》のみ禁止となりましたが、ティムール再生に《死者の原野》を組み込んだティムール再生原野がBO3においてメタゲームの10%以上を占めていました。
メタゲームの健全性と多様性を促進させるため、一時停止となりました。
アゾリウスオーラという明確なカウンターデッキが出てきていましたし、10%の使用率なら多様性も保たれている気もしますが、以前からマークされていたということなので、仕方ないですね。
《時を解す者、テフェリー》
こちらもスタンダードと同じく、やり取りを減少させる常在型能力が一時停止の理由です。
また、BO3において、20%以上のゲームで使用されていたとのことです。
既存デッキへの影響
今回の禁止制限告知による、既存デッキへの影響を考察してみました。
スタンダード
今回の禁止により、いくつかのアーキタイプが消滅し、また消滅しないまでも大きな影響を受けるデッキを列挙します。
消滅するデッキ
まずは今回の禁止により消滅するデッキを考えてみましょう。
筆頭は核となるパーツを失ったティムール荒野の再生ですね。
これはもうどうしようもなく消滅します。
そしてラクドスサクリファイスとジャンドサクリファイスも、《魔女の大釜》で繰り返し生贄に捧げられるクリーチャーがいなくなってしまったため、消滅します。
これはそもそも今回の禁止の方針がティムール荒野の再生とサクリファイス系デッキをメタゲームから消すためのものなので順当ですね。
影響を受けるデッキ
続いて、消滅はしないものの影響を受けるデッキを列挙します。
まずはランプデッキ。
バント、スゥルタイ、シミックのランプデッキが存在していますが、序盤のキーとなる《成長のらせん》を失ったことで大きな弱体化となります。
特にバントランプは《時を解す者、テフェリー》も失ってしまったため、3マナ域に大きな穴ができてしましました。
《成長のらせん》を失ったとは言え、マナ加速とアド源とフィニッシャーを兼ねる《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は続投のため、環境から消えるまではしないかと思います。
ティムール荒野の再生という必殺の一撃を持ったデッキがいなくなったため、《成長のらせん》の代わりに《樹上の草食獣》や《耕作》を使い、より純粋なランプデッキのような形にシフトするかもしれません。
シミックランプに関しては、《発現する浅瀬》や《枝葉族のドルイド》などエレメンタルに寄せたタイプも一考の価値がありそうです。
もうひとつ、大きな弱体化となるのはアゾリウスコントロール。
《時を解す者、テフェリー》の常在型能力で抑制していた《エンバレスの宝剣》や瞬速持ちクリーチャーを警戒しなければならなくなりました。
また、《時を解す者、テフェリー》のマイナス能力により、メインデッキから置物に自然に対処できていましたが、今後は《エルズペス、死に打ち勝つ》頼りになる上、3マナ以上という制限つきになります。
影響のないデッキ
緑単アグロ、黒単アグロ、白単アグロ、赤単アグロ、ウィノータ系デッキなどの主要アグロデッキはノーダメージです。
ヒストリック
次はヒストリックのデッキを考えてみましょう。
消滅するデッキ
ティムール再生原野は完全消滅します。
名指しで記載があったアーキタイプなので問答無用ですね。
影響を受けるデッキ
続いてヒストリックで影響を受けるデッキを列挙します。
まずは《時を解す者、テフェリー》を失ったバントゴロス。
弱体化こそするもののマナ加速呪文は無傷ということもあり、基本的に土地とマナ加速と少量の他のカードで構成されているため、続投すると考えています。
《時を解す者、テフェリー》の代わりはなかなか見つからないかもしれませんが、カードプールの広いヒストリックでは何かしらの代替パーツを見つけることでしょう。
もう一つ弱体化されるのはケシスコンボ。
3マナ域の優秀な伝説カードだった《時を解す者、テフェリー》を失いました。
相手への干渉手段は基本的に《時を解す者、テフェリー》と《ケイヤの誓い》だけでしたが、その片方を失った上、《モックス・アンバー》を手札に戻して再利用するなどの動きができなくなりますので、弱体化といっていいと思います。
《トレイリアの大魔導師、バリン》や《尊敬される語り手、ニアンビ》あたりが代わりになるようなならないような気もしますが、使い勝手は大きく異なりそうです。
《トレイリアの大魔導師、バリン》に関しては4色デッキのケシスコンボでは、青青のマナコストが厳しそうです。
影響のないデッキ
赤単ゴブリン、アゾリウスオーラ、青単テンポ、ソウルシスターズなどほとんどデッキはノーダメージです。
メタゲームへの影響
最後に、メタゲーム上に存在するアーキタイプが変化することでメタゲームにどのような影響があるか考えてみたいと思います。
スタンダード
誰もが話していることですが、苦手だったティムール荒野の再生とサクリファイス系デッキがいなくなったことで、ティムールアドベンチャーの立ち位置が非常によくなりました。
少人数ではありますが、禁止改定後すぐのSCGオンラインスタンダードチャンレンジにおいてもさっそく4-0で次のステージへの権利を獲得しています。
《エッジウォールの亭主》、《幸運のクローバー》によるアドバンテージを取りつつ戦うこのデッキ。
アグロとコントロールに強い一方、ティムール荒野の再生のコンボを止められず、サクリファイス系デッキに弱いとされてきました。
サクリファイス系デッキに関しては《波乱の悪魔》により《エッジウォールの亭主》がやすやすと処理されるうえに、《砕骨の巨人》や《厚かましい借り手》の対象をサクられると対象不適正でそのまま墓地に送られてしまうのが非常にしんどかったようです。
その2つの天敵がいなくなった禁止改定後の世界では、また輝きを見せるかもしれません。
個人的にはトップメタ候補筆頭と思っています。
そこを突くとすればスゥルタイランプが有力。
↑は同じくSCGで4-0したリストですが、メインから《幸運のクローバー》を対処できる《ゴルガリの女王、ヴラスカ》、さらに土地やクリーチャーごと破壊できる《戦争の犠牲》がティムールアドベンチャーに対して有効に見えます。
また、《茨の騎兵》はティムールアドベンチャーは根本的に除去ができず、《厚かましい借り手》でバウンスして一時的に対処するしかありません。(LOは少し怖い)
あとはこのところ再生キラーとして頭角を現していた白単アグロと黒単アグロがいかにティムールアドベンチャーを攻略するかも注視したいところです。
ヒストリック
ヒストリックは先週末に開催されたMTGアリーナオープンに合わせて、一夜漬け的にプレイした程度なのであまり知見がありません。
ティムール再生原野でDay2には行けましたが、そこまで知見がないというのが正直なところです。
ティムール再生原野視点だと、ゴブリンに対して明確に有利だったので、逆にゴブリン側からすると嬉しい展開に思えます。
逆に、ティムール再生原野を食い物にしていたアゾリウスオーラは、ボーナスゲームがなくなってしまうことで相対的にメタゲーム上の立ち位置が微妙になりそうに思えます。
ティムール再生原野は消滅しますが、もうひとつの原野デッキであるバントゴロスは依然として形を変えて残りそうです。
来週8月13日にはアモンケットリマスターでヒストリックに大量のカードが追加される大変動があります。
ここまで書いてて身もふたもないことを言ってしまいますが、ぶっちゃけ、だいたいの人はアモンケットリマスターのリリースまではこれまで使ってきたデッキをそのまま使うんじゃないのと思っています。
というわけで、とんでもない締めくくり方でしたが、今回の禁止制限告知の内容をまとめつつ、ちょこっと考察を挟んでみました。
MTGアリーナオープンでは2日目を0-2で即リタイアした屈辱を「ゼンディカーの夜明け予選ウィークエンド」で晴らしたいと思うので、今後のメタゲームはしっかり折っていきたいと思います。
では!
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